家づくりで後悔したことのひとつとしてよく挙げられるのが、収納空間の不足・不備です。
マンションや建売住宅の間取りを眺めていると、「ここに収納なくて大丈夫かな?」と感じることも多いですが、注文住宅であれば、自分や家族のライフスタイルに合わせて収納を計画することができます。
例えば、
家族の靴の数が多い
↓
シューズウォールは最大サイズが必要
↓
玄関を広く設計する
このように、収納の場所や大きさは間取りに直結します。
そのため、新築の設計前に収納計画を考えておくことがポイントです。
この記事では、我が家の収納計画の立て方進め方についてご紹介します。
収納率とは?理想的な収納とは?
「収納率」という言葉をご存知でしょうか?
収納率とは家の床面積に対する収納の割合のことで、一戸建て住宅では13%が理想だと言われています。
参考 収納率とは(SUUMO)
13%と言われても!
計算面倒だし!!
単純に13%分の収納があればOKというわけではありません。
極端な話をしますね。
想像してみてください。
家の床面積の13%の大きさの収納を、1ヶ所(家の端)に確保したとします。
その他に収納はなく、ここに家中のモノを全て収納します。
すると実際に生活をしてみたときにどうなるでしょうか。
キッチンで料理するとき、必要な材料や器具を家の端の収納まで取りに行かなくてはなりません。
ダイニングで書き物をするときには文房具を、
リビングで映画鑑賞を楽しみたいときにはディスクを、
いずれも家の端にある収納まで取りに行かなくてはなりませんよね。
私ならそのうち「しまう⇔出す」の作業が面倒くさくなって、モノをしまわなくなり、部屋がモノであふれるでしょう。
これは極端な話ですが、
要するに、収納は適材適所!
我が家の場合、台所用品はキッチンに、文房具はダイニングに、ブルーレイやDVDはテレビの近くにあってほしい!
こんな感じ。赤い部分が収納です。
ベストな収納とは、必要なモノが必要な場所に必要な形で存在することだと思います。
必要なモノが必要な場所に必要な形で存在する「適材適所」の収納を目指す!
そのためには、一つの空間(部屋)に一つ以上の収納空間というのがおすすめです。
なぜなら、部屋(空間)毎にその役割は違うから。
そして、新築の設計前に収納計画を考え、打ち合わせで間取りに反映していく必要があります。
収納計画:我が家の進め方。
我が家は以下の流れで収納を計画しました。
STEP1:自分のモノを知る
STEP2:モノを部屋に分配する
STEP3:モノに合致した収納を考える
ひとつずつ見ていきますね。
STEP1:自分のモノを知る
STEP1:自分のモノを知る ←今ココ!
STEP2:モノを部屋に分配する
STEP3:モノに合致した収納を考える
そもそも人によってモノの量が違います。
モノが少ない人は少しの収納で事足りるでしょうし、モノが多い人は多くの収納があっても足りないと感じるかもしれません。
そこで、まずは自分のモノの量を把握することで、新居にどの程度の収納が必要なのかを考えることにしました。
「自分と家族のモノ・全て」です。
現在家にある全てのモノを書き出す
自分のモノの量を把握するために、現在家にあるすべてのモノを書き出します。
パソコンやスマホに打ち込んでもOK。
多少ざっくりでも大丈夫だいじょーぶ!
ただ、必要な収納スペースを把握するための作業なので、ざっくりと言ってもモノがどの程度のスペースを必要とするかはわかるようにしておきましょう。
リスト化しているときに、
「おっ!なんだこれ!こんなものあったっけ?!」
といった発見がぼちぼちありますが、それまで存在を忘れていたものはこのタイミングで処分!
なかなか決断できない思い出のモノは写真を撮ってデータのみ残しておくことにしました。
モノを見直すには絶好のチャンス。
引越し時の荷物を減らすためにも、ここぞとばかりに断捨離(だんしゃり)です。
今後、増える可能性があるモノをできる限り考える
出産を予定している場合や子どもが小さい場合は、今後モノが爆発的に増えていくことが想像できます。
また、趣味の内容によってはモノが増えていくこともあります。
どの程度のモノが増えることになるのか、想像できる範囲で考えます。
STEP2:モノを部屋に分配する
STEP1:自分のモノを知る
STEP2:モノを部屋に分配する ←今ココ!
STEP3:モノに合致した収納を考える
STEP1で自分が持っている全てのモノを把握した後は、
必要な収納を考え、間取り反映させて(設計士さんに相談して)いきます。
必要な収納は以下のように考えました。
「これ(モノ)」は「ここ(場所)」に収納すると決める。
靴は玄関のシューズボックスに!
DVD、ブルーレイやCDとゲーム類はリビングのテレビボードかな。
お布団をしまうには押入が必要ね。
こんな感じで、全てのものに収納場所を与えていきます。
超面倒くさいですが、ここがポイントです。
特に、
と、考えること!
場所ありきではなく、ものありきです。
このように考えていくと、どこにどの程度の収納が必要か見えてくるため、間取りに反映させていきます。
靴はあまり持っていないから、シューズボックスは標準的なサイズで大丈夫!
DVD、Blu-ray、CD、ゲームが思ったよりもたくさんあるから、リビングのテレビ付近に大きい収納が必要かな?!
最大サイズのテレビボードを設置するか…。
布団用の押入は1階の和室にするか、2階の寝室にするか迷うわね…。
こんな感じ。
繰り返しますが、超絶面倒くさくてなかなか果てしない作業です。
とはいえ、できるだけ具体的に考えておくことで、入居後に収納不足で困る可能性が低くなるはず。
また、どこに何を収納するかを把握しておけば、引っ越し時の梱包及び開梱作業もスムーズになるはずです。
STEP3:モノにぴったりな収納を考える
STEP1:自分のモノを知る
STEP2:モノを部屋に分配する
STEP3:モノに合致した収納を考える ←今ココ!
最後に、モノの特徴に合わせた収納を確保しましょう。
収納するモノにぴったりの収納形態とは?
STEP2で、
必要な収納を考え、間取りに反映させました。
STEP3では、
その収納を最大限に活用するために収納の詳細を考えていきます。
ひとことで「収納」といっても、
- 造り付け(クローゼットや押入など)
- 家具屋さんなどで購入(キャビネットやサイドボードなど)
- 現在使っている収納
などがありますよね。
自分が収納したいモノにぴったりな収納を選択します。
クローゼットや押入の「奥行」はじっくり考えよう
なお、造り付けの収納を考えている場合に気をつけたいポイントとして、「奥行」があります。
我が家の作り付け収納は下のようにしました。
・布団を収納する部屋の収納は、奥行き90㎝
・洋服やかばん等を収納する部屋の収納は、奥行き60㎝
一条工務店のトータルシステムクローゼットは、奥行き60㎝のものと奥行き90㎝のものがあります。
奥行きがある収納は、布団などを保管するにはぴったりですが、
奥のモノは出し入れがしにくくなります。
収納するモノに応じて「適切な」奥行きを選択をする必要があります。
【実例】我が家の収納全公開(Web内覧会)
こうして考えた我が家の収納たちがこちらです。
収納計画のヒント
最後に、収納を計画するにあたってヒントになりそうなことを記しておきます。
正解!便利だった収納たち
玄関の土間収納
玄関は「家の顔」。
常にすっきりとさせておくために、コンパクトですが、土間収納を設けました(画像右側)。
「居室に置いておきたくないけれど、屋外に置いておくのも嫌。」という中途半端なモノ達。
これらを置いておくための場所が土間収納です。
脱衣室収納
洗剤のほか洗濯かごや入浴後の着替え等を全て押し込みたかったため、独立した脱衣室に収納力のあるパントリーを採用しました。
洗濯機まわりをすっきりさせることができ、とても快適です。
ダイニング収納
ダイニングって散らかりませんか?
我が家では、ダイニングテーブルで書き物や仕事をするためかもしれませんが、
郵便物やチラシ、読みかけの本や雑誌…その他雑多なもの。
旧居では対面キッチンのカウンターが「とりあえずモノ置き」となり雑然としていました。
ダイニングにキャビネットやサイドボードを置いているおうちもありますよね。
意外とモノが多いダイニング。
我が家では造り付けの押入収納(無料!)を設けました。
書類、プリンター、文具、救急用品などを収納していますが、要領たっぷりでとても便利なのでおすすめです。
押入内にはコンセントを設置し、ルンバの基地にもなっています。
コンセントがある収納
収納内にコンセントを設置しておくと便利です。
例えば、
- コードレス掃除機
- ルンバ
これらは、コンセントのある収納内で収納しながら充電、充電しながら収納することができます。
また、
- 炊飯器
- 電子レンジ
- 電気ポット
- Blu-ray、DVDレコーダー
- プリンター
- モデム
コンセントのある収納であれば、収納したまま使用することができます。
収納の扉を閉めてしまえばすっきり!
使用するときも扉を開けるだけだから楽ちん。
ただし、蒸気の出るものは取扱いに注意しましょう。
土間収納か物置か
冬用タイヤ、自転車、園芸用品など、
- 屋外の物置に収納するのか?
- 屋内の土間収納に収納するのか?
考えておくと良いですね。
失敗?収納計画で気をつけたいこと
収納に困りやすいモノたち
ご参考に。
以下のモノを収納する場所は確保できていますか?
収納迷子や出しっぱなしになってしまいやすいものを挙げてみました。
北側の収納は結露に注意
北側に収納は、収納内に結露ができやすくカビ等が発生する恐れがあります。
北側にはできるだけ収納をつくらないことをおすすめします。
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。参考になれば幸いです。
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